海外FXで出た利益には、所得収入と合算した総合所得に課税が行われます。
日本では所得が多ければ多いほど税率も上がるので、税金対策で年間の申告所得を落とすことが有効な節税となるのです。
節税には経費といって、関連する費用を総合所得から差し引く制度があります。
このページでは海外FXの経費というテーマで、経費になる具体的な例や注意点について詳しく解説していきます。
翌年にかかる税金を安くできるからしっかり覚えておこう!
経費を計上すると総合所得を抑えられる

海外FXにかかる経費を確定申告時に計上すると総合所得が抑えられます。
日本では累進課税制度といった、所得額に応じて税率や支払う税金が変わる仕組みになります。
所得が多いと納税する額も多くなるので、経費を計上しておくと課税額が減る仕組みです。
給与所得+海外FX利益-経費=課税所得額
海外FXでの税金は国内FXの場合と異なり、給与所得+海外FXの利益で計算されます。
それに経費を差し引くことで、課税所得額を抑えられて節税対策に繋がるのです。
海外FXで経費になるもの
次に、海外FXで経費になるものを具体的に解説します。
経費として申告できるのは、海外FX取引に必要なものに限ります。
関係のないもので申告したら、調査が入った際に不正とみなされペナルティや処罰の対象となるので注意しましょう。
海外FXに関する書籍代
海外FXに関する本や新聞図書費は経費として計上できます。
例えば本屋さんの投資コーナーに置いてある、FX入門書やテクニカル分析の書籍などが対象です。
海外FXを始めるにあたってまずは勉強を行いますが、本を使って勉強を始める方はその購入した際の領収書をとっておきましょう。
また、海外FXの情報収集に必要な有料のニュースサイト購読料や、メルマガなども計上可能です。
海外FXに関するセミナーやその他関連費
海外FXに関するセミナーや、その関連費用は経費として計上可能です。
関連費用はセミナー開場まで行く際の交通費などが対象となります。
- 市場動向の情報交換時にかかった飲食代
- 情報交換の際にかかった交通費
上記のようなものも経費として計上可能です。
海外FX取引にかかる通信費
海外FXをするには、パソコンかスマホから取引をする必要があります。
この時にかかる通信費も経費として計上可能です。
パソコン本体やスマホ本体も海外FXのみで利用する場合は、全て経費として計上ができます。
この辺は後程詳しく解説していくね。
自動売買ツールの費用
海外FXでは、MT4上で起動させる自動売買ツール(EA)を使って取引する方が多くいます。
EAは自作すれば無料ですが、人や業者から購入すると費用が発生するものです。
この時にかかった購入費は、海外FXにかかった経費とみなされて計上ができます。
VPSの費用
自動売買を稼働させるには、VPSを利用する方が多いです。
VPSとは?!
仮想専用サーバー。
インターネット上で自身のMT4が起動できるので、自動売買を使う際にPCを稼働させないで良い。
VPSを使わないとEA稼働中は常にPCを起動させないといけないので、ほとんどの方はVPSを契約します。
月額制の会社がほとんどですが、海外FXにかかる費用となるので経費として計上が可能です。
家賃や光熱費
海外FX取引を行う際の家で発生する家賃や高熱費は、場合によって経費で計上できるケースもあります。
- 賃貸物件の一部(部屋のスペース)でFX取引
→認められないor一部の家賃光熱費のみ経費となる - 賃貸物件をFX専用の部屋として借りる
→全額認められる可能性が高い
一部の場所であれば他の作業をしている場合もあるので、認められたとしても限られた家賃や高熱費のみです。
しかし、部屋を完全にFX専用の家として利用している場合は、家賃光熱費の全額が経費として認められる可能性が高くなります。
文具やノートなどの事務用品
文具やノートといった事務用品は、海外FX関連のものであれば経費として計上可能です。
メモをするノートやペン、その他関連する事務用品などが対象となります。
海外FX用で購入したものは、全ての領収書を残しておくようにしましょう。
取引手数料
海外FXのECN口座では、スプレッドが狭い代わりに取引毎の手数料がかかります。
この手数料は経費とみなされ計上可能です。
取引毎にかかるスプレッドは実際に払うものではないので経費として計上できません。あくまでもECN口座のような取引手数料のみとなります。また、入出金にかかった海外銀行送金時の手数料は経費として認められる場合が多いです。
スマホやPCの経費について
海外FXで取引をする際に、スマホやPCは必須となります。
取引だけではなく、口座開設や入出金といった操作も端末を使って行わなければいけません。
このスマホやPCに関しては、状況によって経費or経費計上できないといった条件が変わってくるので、深堀して解説していきます。
10万円以下であれば単年で計上
スマホやPCは安いものではないので、分割払いなどで購入する方が多いです。
10万円以下であれば単年での経費計上が認められやすくなります。
- 10万円以下→翌年の確定申告で計上
- 10万円以上→複数年に分けて確定申告で計上
この例は分割購入した場合でも一括払いした場合も同じです。
10万円という基準が明確なルールであるわけではありませんが、あくまでもスムーズに計上できる場合を指しています。
後に税務署から調査が入った場合を考えると、スマホやPCはFX専用のものを購入しておくことが良いでしょう。
高機能な端末ではなく10万円以下の端末を購入して、都度経費で計上することがおすすめです。
通信費はFX取引に使った割合を計上

スマートフォンやタブレッドを携帯会社で契約する場合は、通信料金が発生しますがこちらも経費として計上できます。
しかし、FX専用ではなく他の用途でも使っていた場合は、全額が計上できるわけではありません。
通信料÷(FXで使った時間‐他の用途で使用した時間)
このように計算をして、使用時間から判断した分の通信費を経費にする必要があります。
だからこそ、FX専用のデバイスとして持っておき、全てを計上できるようにしておいた方が楽ですよ。
この通信費はWi-Fiなどの料金でも同じ事が言えます。
Wi-Fiのインターネット通信を他の用途でも利用している場合は、FX取引分だけを計算して計上が可能です。
PCやスマホでVPSの設定・チェックをする場合
前述したように、自動売買を稼働する際に使うVPSは月額費用を経費として計上できます。
VPSは導入後に、スマホやPCを使って初期設定を行わなければいけません。
また、EAの稼働停止する場合や、進捗状況をチェックする際もスマホやPCからの遠隔操作を行います。
その場合でも海外FXにかかった経費として計上が可能です。
VPSの月額費用+VPSの操作に使うPCやスマホの端末代金と通信料
ここでも使うPCやスマホが他の用途で使われていた場合は、 使用時間の算出をして割合分の通信料と端末費を計上する必要があります。
海外FXの取引では、裁量トレードを全く行わず自動売買の稼働しか取引をしないという方も一定数いるでしょう。
そのような方は、自動売買の遠隔操作用にスマホやタブレッド端末を用意しておくことでスムーズな経費の算出が可能です。
法人口座であれば経費の幅が広がる
海外FXで法人口座を作ると、経費の幅が広がって節税対策に繋がります。
- iFOREX
- AXIORY
- HotForex
全ての会社で開設できるわけでは無く、法人口座が開設できる海外FXは一部の会社のみです。
種別 | 個人口座 | 法人口座 |
海外FXに関する書籍 | 可能 | 可能 |
海外FXに関するセミナー代 または交通費 |
可能 | 可能 |
役員報酬 | 不可 | 可能 |
各種保険 | 不可 | 可能 |
パソコン代など | FXで使う割合のみ | 原則全額計上 |
退職金 | 不可 | 可能 |
個人口座では、パソコン代などが海外FXで使う分のみと限定的ですが、法人口座ではランニングコストとして全額が経費計上できます。
また、退職金積み立てや各種保険代も計上することで、個人口座よりも有利な節税対策ができるのです。
役員報酬として法人口座での利益を自身に渡すと、個人にかかる所得税+法人税で結果的に節税とならない場合があります。法人口座での運用をする方は、事前に税理士に相談したうえで節税対策をするといいでしょう。
経費は分かりやすく記録しておくことが重要
海外FXに関連するものは、ほとんどのものが経費として算出可能です。
納税は国民の義務ですが、経費の計上に関しては自己申告となります。
前述したスマホやPC、家賃、文具などの経費というものは自分にしか分からないものです。
税務署から査察が来た場合に、利用履歴や領収書などがすぐに開示できる状態を作っておきましょう。
海外FXの経費まとめ
海外FXの経費についてまとめました。
- 海外FX取引に関連するものは、ほとんど経費として計上可能
- 経費を計上することで総合所得を抑えた節税に繋がる
- PCやスマホはFX専用端末を持つのがおすすめ
- 法人口座であれば経費の幅が広がる
- 経費はすぐに開示できるように、分かりやすく記録しておくことが重要
小さな金額のものでも、海外FXに関連するものであれば経費として計上することをおすすめします。
翌年に支払う税金を抑えるという事は、自身で作った利益を守る事にも繋がるのです。
面倒な作業に感じるかもしれませんが、少しでも利益を残すためには大事な作業とも言えます。