海外FXでは、法人口座を作ることで様々な税制の恩恵が受けられます。
海外FXで高額な利益を出している方は、法人化をして運用するのも1つの手と言えるでしょう。
本記事ではそんな、海外FXを法人化して始めることのメリット・デメリットについて解説します。
条件や受けられる恩恵を確認してみてください。
海外FXの法人口座とは
海外FXでは、会社によって法人口座の開設ができます。
会社の名義で作る海外FXの口座だよ。
法人口座はその名の通り会社名義の口座となるので、個人の方や法人のない方は開設できません。
海外FXをする方の中には既存の会社で口座を作るのではなく、FXを事業化するために法人を設立する方もいます。
法人化することで受けられる恩恵があることから、法人化をして節税対策をしているのです。
法人化をするメリット
次は、法人化をして海外FXをするメリットを紹介していきます。
法人化するメリットは全て節税関連です。
具体的な内容を見ていきましょう。
最高税率の差で節税効果がある
海外FXの個人口座を使って得た利益は雑所得に区分されます。
雑所得は、サラリーマンが受け取る給与などと合計した額に税率が課せられる仕組みです。
総合所得が大きいほど税率が上がっていくので、海外FXで高額な利益を出すとその分高額の税金を納めないといけません。
課税される利益が多いほど法人化した節税効果が大きくなります。
海外FXを利用した法人口座では役員報酬の支払いが必要となります。
役員が自身であっても所得税の課税対象となるので、支出のバランスに注意しなければいけません。
経費の幅が広がる
法人化して法人口座での取引をすることで、経費の幅が広がるというメリットがあります。
個人口座では海外FXに関するものでしか経費で申告できません。
- 海外FXの参考書代
- 海外FXに関するセミナー代など
法人化をすると個人口座で認めらる経費はもちろん、各種保険や役員報酬なども幅広く計上可能です。
また、退職金の積み立てなども経費として計上可能です。
損失繰越が可能
法人化をして海外FXの法人口座を利用すれば1年間の損失繰越が可能です。
個人口座であれば1年間の累計で損失が出てしまうと、翌年には0にリセットされてしまいます。
国内FXでは個人口座での損失繰越が認められていますが、海外FXの個人口座では認められないのは大きなデメリットと言えるでしょう。
海外FXでの損失500万円
他の事業所得800万円
→300万円で申告できる
合算できる範囲が広がるのは法人化の大きなメリットであると言えます。
法人化のデメリット
次に、海外FXを行う上で法人化をするデメリットを紹介します。
会社設立に手間とコストがかかる
法人を設立するとなると、設立の手間とコストがかかります。
現代では会社を簡単に設立できると言われていますが、やはり個人が1から作るとなると手間がかかると覚えておきましょう。
- 会社の事業内容
- 会社の名前
- 役員
- 会社の住所(商号・本店)
上記の項目を決めてから会社定款を作成し、会社設立登記をして関係各所に届けます。
設立後は毎年確定申告が必要となりますが、赤字でも税金は発生するのである程度のコストが発生すると覚えておきましょう。
利益が自由に出金できない
個人口座であれば、海外FXで出た利益はすぐに出金できます。
出金後に利益をどのように使っても問題ありません。
しかし、法人化した口座であれば利益を自由に出金できません。
法人化後で利益を出金するには役員報酬と区分されるので。ある程度調整をしなければならないのです。
全ての海外FXで使えるわけではない
海外FXには様々な会社がありますが、法人で使える会社は限られています。
日本人人気の高いXMやGEMFOREXなどでは法人口座が開設できません。
- AXIORY
- iFOREX
- HotForex
2021年8月現在では上記の会社で開設可能となっています。
法人化の後に海外FXをするとなれば、会社の制限があると覚えておきましょう。
法人化をするタイミング
海外FXを個人で利用しているとして、法人化をするタイミングは利益が増大してからがおすすめです。
少額の利益しか出ていない状況では法人化しないようにしましょう。
以下は法人税の税率です。
区分 | 適用関係(開始事業年度) | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
平28.4.1以後 | 平30.4.1以後 | 平31.4.1以後 | |||||
普通法人 | 資本金1億円以下の法人など | 年800万円以下の部分 | 下記以外の法人 | 15% | 15% | 15% | |
適用除外事業者 | 19%(注2) | ||||||
年800万円超の部分 | 23.40% | 23.20% | 23.20% |
※国税庁HPより
課税総合所得額 | 税率 | 控除額 |
1,000円から1,949,000円まで | 5% | 0円 |
1,950,000円から3,299,000円まで | 10% | 97,500円 |
3,300,000円から6,949,000円まで | 20% | 427,500円 |
6,950,000円から8,999,000円まで | 23% | 636,000円 |
9,000,000円から17,999,000円まで | 33% | 1,536,000円 |
18,000,000円から39,999,000円まで | 40% | 2,796,000円 |
4,000万円超 | 45% | 4,796,000円 |
法人では利益800万円以上で23.2%(地方税などを加算すると35%)になるので、利益は900万円くらいが目安となります。
海外FXで1年間900万円以上の利益が出始めたら法人化を考えるといいと言えるでしょう。
海外FXで法人化まとめ
海外FXで法人化を行うメリット・デメリットをまとめました。
- 法人化することで節税の恩恵が受けられる
- 経費計上の幅を広げるのにおすすめ
- 会社設立に手間とコストが必要
- 法人口座が作れる会社は限られる
- 利益900万円以上が法人化の目安
海外FXのために法人化を検討している方は、まず自身の環境や状況が適しているかを確認しましょう。
本記事で紹介した役員などの面で適していない場合もあります。
利益の目安900万円を超えるようであれば、節税のための法人化がおすすめです。