FXで長期投資をするには、スワップポイントの獲得が効果的と言われています。
長期的にコツコツと利益を出す投資法ですが、初心者には少し難しい投資方法であると覚えておきましょう。
本記事では、海外FXのスワップというテーマで概要から注意点までを詳しく解説します。
スワップポイントとは金利差で発生する差額
通貨にはそれぞれ国で金利が定められてていますが、2国間の通貨ペアで取引をするFXでは、銘柄の保有時点で金利差が発生するのです。
金利の低い通貨で金利の高い通貨を保有→スワップ差額が付与される
FXではロスカットや、自身で決済をしない限りポジションの解消はできません。
スワップの発生する通貨を保有しておくことで、毎日金利差が貰える仕組みになっています。
各国の政策金利で決まる
通貨ごとの金利は、全て一定であるというわけではありません。
その時の経済状況や政治動向から、各国の政策金利で金利が決まる仕組みになっています。
あれは米ドルの金利が決まる指標なので注目度が高いんですよ。
金利の動向は多くの投資家が注目します。
金利の上昇はその国の経済進捗が良いと判断されることで、買われやすくなる傾向にあるのです。
スワップポイントは金利差額で発生するものなので、当然政策金利の影響を大きく受けます。
エントリー方向によっては差額を払う
スワップポイントは必ずしも受け取れるものではありません。
金利の高い国の通貨で低金利の通貨を保有してしまうと、金利差額がマイナスとなって支払い義務が生じます。
TRY/JPYの場合(トルコリラ/日本円)
TRY/JPY買い→+スワップ
TRY/JPY売り→-スワップ
トルコのリラという通貨は高金利通貨として有名です。
それに対して日本円は長期的な定金利が続いています。
通貨ペアで表示される、〇〇〇/〇〇〇では左側に表示された銘柄が基軸となる仕組みです。
ほとんどのマイナー通貨は、後ろに銘柄名が来る傾向にあるので、売り(ショート)時に+スワップが付く傾向にあります。
スワップポイント獲得する際の注意点
次に、スワップポイント獲得で注意すべきことを解説します。
スワップポイントを目的として取引は決して初心者向きとは言えず、それなりのリスクもある投資です。
具体的な注意点を見ていきましょう。
メジャー通貨ではマイナススワップばかり
高金利の通貨や、スワップポイントの発生する銘柄はトルコリラ、メキシコペソ、南アフリカランドといったマイナー通貨になります。
米ドルや日本円、ユーロといったメジャー通貨の金利はもともと低い傾向にあり、メジャー通貨ペアではマイナススワップが付くことが多いです。
豪ドルやNZドルはもともと高金利通貨として有名でしたが、2020年以来低金利になっています。
ドル円やユーロドルに比べて、マイナーな通貨は急騰急落のリスクがつきものです。
また、エントリー方向も見定めないとスワップは発生しないので、分析までするとなると上級者向けと言えるでしょう。
決済をしてから付与されるケースが多い
スワップポイントは、保有しているだけで毎日付与されるものですが、実際に口座へ反映されるのは決済後という場合が多いです。
会社によってルールはありますが、ほとんどの会社で同じようなルールになっています。
つまり、長期保有をしているだけであれば残高のデータでしかなく、出金したり他の取引に利用することができないという事です。
ロールオーバー
保有しているポジションが日付をまたぐ事。
日付を跨いで保有した時点でスワップの獲得対象となります。
FX取引のできない土日でも金利差額は発生しますが、土日分の反映日も会社によって異なるので、公式HPなどからしっかり確認しておきましょう。
海外FXではプラススワップのつく銘柄が少ない
海外FXは国内FXに比べて豊富な銘柄で取引ができます。
しかし、その中でもプラスのスワップが付く銘柄はほとんどないです。
一部のマイナー通貨ペアか株式指数などでしか発生しません。
ほとんどがマイナススワップであるという事は、月単位での長期投資に不向きの銘柄が多いという事になります。
せっかく出した利益がマイナススワップによって大きく減る可能性もあります。
長期的な投資をする際はスワップの確認を必ず行っておきましょう。
両建てでスワップを獲得する方法と注意点
両建てとは、1つの銘柄の買い売り両方のポジションを保有する手法です。
「サヤ取り」「裁定取引」「アービトラージ」とも呼ばれる手法で、為替変動を活かして利益を得ます。
スワップの獲得では、プラススワップとマイナススワップを合わせて利益が出る際に有効な取引方法です。
買いポジション | 売りポジション | 両建ての結果 |
-200円のスワップ | +500円のスワップ | 300円の利益 |
-500円のスワップ | +200円のスワップ | 300円の損失 |
この状況でスワップのアービトラージが成立するのは前者です。
買いと売りの両方ポジションを持った状態でも利益が出ている状態になるので、低リスクでスワップの獲得ができます。
スプレッド差額分マイナスは出る
FXでは、エントリー時にスプレッドが発生します。
スプレッドは買いでも売りでも発生するものなので、両建てのエントリーをした時点では常に一定のマイナスが出ていると覚えておきましょう。
両建て後に短期間で決済をしてしまうと、スプレッドの差額>スワップの利益となってしまい損失が出てしまいます。
特にスワップポイントの付きやすいマイナー通貨は、メジャー通貨などに比べて平均スプレッドが広くなる傾向にあります。
長期的な視点でアービトラージでの投資をしないといけません。
両建てを禁止している会社もある
全ての海外FX会社で両建てでのスワップ獲得ができるというわけではありません。
会社によっては、両建ての取引を禁止している会社もあるので注意しましょう。
複数口座間や複数会社を介した両建ては、ゼロカットシステムの悪用とみなされます。
たとえスワップ獲得目的であったとしても禁止行為となり、利益没収や口座凍結の要因となってしまうので必ずしないようにしましょう。
スワップ獲得におすすめの海外FX
次は、スワップポイント獲得を目的とした場合におすすめの海外FX会社を紹介します。
会社によって付与されるスワップは異なるので注意しましょう。
以下では会社の特徴とおすすめの銘柄についても詳しく解説します。
XM Trading
XMトレーディングは、日本人人気NO1の海外FXです。
豊富なボーナス制度や企業の安全性が高く評価されています。
EUR/TRY (ユーロ/トルコリラ)、売り |
200.50 (約3,340円) |
USD/TRY (米ドル/トルコリラ)、売り |
200.50 (約2583円) |
EUR/ZAR (ユーロ/南アランド)、売り |
117.12 (933円) |
USD/ZAR (米ドル/南アランド)、売り |
7.35(586円) |
豊富な銘柄を取り扱っている事から、マイナー通貨ペアでは高スワップの獲得ができます。
XMでは取引毎にボーナスが受け取れる制度があるので、取引回数の多いメイン口座として使う方が多いですが、長期保有でスワップを目的とした投資でも人気となっています。
特にEUR/TRYはスワップの変動が大きく、過去には5000円以上のスワップが獲得できたという時期もありました。
公式HPにてリアルタイムのスワップが公表されているので、逐一チェックしておきましょう。
TitanFX
タイタンFX(Titan FX)は、スプレッドの狭さや約定力といった高水準の取引環境が魅力のFX会社です。
短期売買用の口座っとして愛用されていますが、一部では別口座を使ってスワップの獲得をするトレーダーもいます。
GBP/TRY 英ポンド/トルコリラ、売り |
452.1 |
EUR/TRY ユーロ/トルコリラ、売り |
432.27 |
USD/RUB 米ドル/ロシアルーブル、売り |
367.16 |
USD/TRY 米ドル/トルコリラ、売り |
308.55 |
EUR/ZAR ユーロ/南アフリカランド、売り |
232.37 |
※スワップはpointでの記載
TitanFXは、海外FXの中でスプレッドの狭い会社として有名です。
そのため、両建てで取引をした際に、他社よりも資金効率の良い取引ができます。
スプレッド幅分をスワップで回収できる時間が早くなることが魅力です。
iFOREX
iFOREX(アイフォレックス)は、設立25周年を迎える老舗の海外FXです。
入れ替わりの激しいFX業界で豊富な実績を誇ります。
GBP/TRY 英ポンド/トルコリラ、売り |
3857円 |
EUR/TRY ユーロ/トルコリラ、売り |
2593円 |
USD/TRY 米ドル/トルコリラ、売り |
1882円 |
iFOREXでは、他の海外FXに比べて取り扱い銘柄が豊富であるという魅力があります。
他社で扱っていないマイナー通貨でも取引可能です。
金利状況によっては高スワップの銘柄が出てくるかもしれないね。
金利は常に変動するので、iFOREXでしか扱っていない銘柄で高スワップが付くという可能性も充分あります。
また、iFOREXでは10万円以上口座に入れておけば、年利3%が貰える独自の制度があるので、長期的に低リスクの投資がしたい方に最適です。
マイナー通貨のスワップは他社に比べて高額な場合が多いです。
AXIORY(アキシオリー)
AXIORY(アキシオリー)は高水準の取引環境や不定期のボーナス制度から、人気が急増している海外FXです。
EUR/RUB (ユーロ/ルーブル)、売り |
862.41 |
USD/RUB (米ドル/ルーブル)、売り |
550.67 |
EUR/TRY (ユーロ/トルコリラ)、売り |
485.56 |
USD/TRY (米ドル/トルコリラ)、売り |
250.527 |
※スワップはpoint表示
TitanFXと同様に取引環境を随身更新しています。
銘柄もどんどん追加されているので、今後高金利のマイナー通貨が増えることに期待していいでしょう。
海外FXのスワップポイントまとめ
海外FXのスワップポイントについてまとめました。
- 高金利通貨を買って低金利通貨を売ると金利差額が貰える
- スワップは銘柄や会社、金利状況によって異なる
- マイナススワップが発生すると差額を支払わなければいけない
- 高金利通貨は変動の大きいマイナー通貨がほとんど
- 両建てでのスワップ獲得時はスプレッド幅に注意
- 豊富な銘柄を扱っているiFOREXはスワップが高め
海外FXではほとんどの銘柄でマイナススワップとなりますが、銘柄を絞って取引すればスワップによる長期投資も有効であると言えるでしょう。
マイナー通貨という性質上、分析の難しさや値幅の粗さといった課題はあるので注意して取引をしてみてください。
コメント